疾患一覧
にきび
にきびは、正式には尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)と呼ばれ、顔面や背中など皮脂が分泌されやすい部分の毛穴が詰まり、毛穴内部でアクネ菌が増殖して現れます。好発年齢は思春期ですが、30~40代で何度も再発するケースも少なくありません。
市販薬などで対処する方もいらっしゃいますが、悪化した場合は痕が残ることがあり、治療に時間がかかったり、保険適用外の治療が必要になる事がありますので、悪化する前に医療機関で治療を受けましょう。
当院ではまず保険適用内での治療を行い、患者様ご自身でスキンケアを十分に行って頂けるよう生活指導にも注力しています。にきびでお困りの方は当院までお気軽にご相談ください。
蕁麻疹(じんましん)
蕁麻疹は、膨らみがあり、かゆみを伴う皮疹が生じる皮膚疾患で、その範囲は狭いこともあれば広範囲に現れる場合があります。皮疹が現れても数時間後には消失し、しばらくして、また別の場所にできたりするなど、こうした症状が数日~数ヶ月にわたって何度も起こる特徴があります。
蕁麻疹は、原因や症状で分類が行われています。最も頻度の高いものは食べ物アレルギーなどとは無関係の特発性の蕁麻疹です。様々な原因があるため、現在でも不明なことが多いですが、なかには、風邪などの一時的な感染が原因となって起こることもあります。
一方、症状が1ヶ月以上続くような慢性蕁麻疹は、多くのケースで原因がはっきりしません。治療は抗アレルギー薬による薬物療法を行います。症状の改善だけでなく、再発予防も期待できます。 急激な症状に加え、体調不良、腹痛、下痢、呼吸困難などの症状が現れた場合は、なるべくお早めに総合病院や救急外来を受診してください。
熱傷(やけど)
やけどは外見上軽傷に見えても、実は皮膚の深部まで損傷していることがあります。そのため、やけどした場合、すみやかに患部を冷やしてください。
長時間冷やしても痛みや赤みが消えない場合は、なるべくお早めに受診してください。
酒さ(赤ら顔)
酒さは皮膚の慢性炎症性疾患で、主に鼻や頬に赤みやほてり、血管拡張、ヒリヒリする刺激、にきびに似た発疹などの症状が現れます。中高年の女性によく見られます。原因は不明で、そのため効果が期待できる治療方法もないため、対症療法により症状を緩和することが目標となります。症状を悪化させる要因には、香辛料やアルコール、カフェインなどの刺激物、化粧品、紫外線、紫外線、擦るなどの物理的刺激などがあり、それらを避けることが予防になります。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、湿疹が寛解と悪化を繰り返す慢性の皮膚疾患で、アトピー素因というアレルギー体質が原因になるとされます。
基本的に発症するのは乳幼児期で、多くは成人までに治りますが、成人後も症状が残る方がいます。発症する方は乾燥肌や敏感肌をお持ちの場合が多く、アレルギー体質に加えて、皮膚の汚れや汗、ダニやカビ、ほこり、石鹸や化粧品などのケア用品、紫外線、擦るなどの物理的刺激など、多様な刺激要因が重なって発症します。
治療では、痛みやかゆみがない状態を目指しますが、一旦寛解しても、再発を予防するために、患者様も日常的にスキンケアを心がけ、肌の良い状態を維持することが重要です。
乾癬(かんせん)
乾癬とは、皮膚に紅斑が生じたり、ふけのような皮膚の粉(鱗屑)が落ちたりする疾患で、人によってはかゆみがあります。遺伝、ストレス、生活習慣、感染症、薬物など様々な原因があるとされますが、皮膚のターンオーバーが異常に早くなることが直接の原因とされます。完治は望めず、症状の寛解と悪化を繰り返すため、寛解した状態を長期間保つことが当面の目標となります。
白癬(水虫・爪白癬)
白癬は、白癬菌と呼ばれる真菌(カビの仲間)が皮膚表面の角層に感染することで起こる感染症です。
約90%は症状が足に現れますが、基本的には皮膚表面であれば全身のいたるところに感染します。白癬菌が感染した部分では、非常に細かい角質のかけらが剥がれ落ちますが、その角質にも白癬菌が生き続けるため、それに触れた健康な皮膚に感染します。白癬菌は家庭内での感染だけでなく、足を露出する銭湯やジムなどの床で感染することがあるので注意してください。
接触皮膚炎
接触皮膚炎とは俗に「かぶれ」と呼ばれるもので、日常生活上、何らかの物質に接触することで、ぶつぶつ、水疱、赤みなどの発疹が起きます。発疹にかゆみや痛みがある場合もあります。原因物質は様々ですが、化粧品やケア用品、毛染め剤、おむつやナプキン、湿布や絆創膏、アクセサリーや時計などの金属、植物などがあります。自然治癒することがほとんどですが、難治性の場合は色素沈着が生じ、痕になって残ります。そうならないためにも早期に適切な治療を行うことが重要です。
いぼ
多くの場合、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因となります。手のひらや足の裏に生じやすいですが、顔などにも生じることがあります。ウオノメやタコと外見が似ているので自己診断で間違って認識されることがありますが、いぼは感染するため気を付けなければなりません。いぼの治療では、液体窒素による冷凍凝固法を行うことが多いです。いぼが手足に生じた場合は治療期間が長期に及び、2週間に1回、半年以上通院して頂くこともあります。
ヘルペス
ヘルペスは、単純ヘルペスウイルスによる感染症です。小水痘、赤み、ピリピリした痛み、びらんなどが現れます。初感染時は発熱が起こりますが、一旦症状がなくなってもウイルスは体内に潜んでおり、風邪など別のウイルスの感染、ストレス、体調不良などで免疫力が低下した際に、再発することがあります。単純ヘルペスウイルスは感染性が高く、単純ヘルペスウイルスに感染したことがない人に対し、キスなどの直接接触だけではなくタオルを共有するなどの間接接触でも感染します。
帯状疱疹
帯状疱疹は、子どもの頃に罹患した水痘の原因である水痘・帯状疱疹ウイルスが体内に潜伏しており、加齢など免疫が落ちたことがきっかけで再び活動を始めて発症します。
症状としては、前兆としてピリピリとした神経痛のような痛みが数日~1週間ほど続きますが、その後身体の左右どちらかに偏って、神経に沿った皮膚の表面に水疱や発疹が生じます。なかには、症状が消えても、後遺症として酷い神経痛が数ヶ月から数年続く方もいらっしゃり、このような神経の痛みを帯状疱疹後神経痛と呼びます。50歳以上の方はリスクが高く、治療開始時期が遅くなった場合は後遺症が残りやすいため、皮膚に異常を感じた場合、早急に医療機関を受診するようにしましょう。
円形脱毛症
円形脱毛症は、毛包が自分の免疫反応によって攻撃される自己免疫病の1つで、それによって毛が脱落します。治療は主に薬物療法を行い、ステロイド軟膏、ミノキシジルや塩化カルプロニウムなどの外用剤を塗布したり、抗ヒスタミン剤や植物由来のアルカロイドであるセファランチンなどを服用したりします。血液検査の過程で円形脱毛症とは別の自己免疫病が発見されることもあります。そのため、できるだけ早めに当院を受診されることをお勧めします。
多汗症
多汗症は運動などで出る健康的な汗とは異なり、多量の汗が顔や全身から滝のように出る疾患です。遺伝的要因が主因になりますが、原因不明であることも少なくありません。原因が糖尿病や甲状腺機能の場合もあるため、血液検査で明らかな疾患を排除する必要があります。
脂漏性皮膚炎
脂漏性皮膚炎とは皮脂分泌が盛んな部位、例えば頭皮や顔、脇の下、背中などに発症し、赤みを帯びた発疹ができるとともに白いふけのようなものが出ます。なかには痛みを伴うこともあります。3ヶ月未満の乳児か、30歳から70歳ぐらいの壮年の方が起こりやすいとされています。男性ホルモンが皮脂の分泌を活発にするため、男性に多い病気です。