関節疾患について
下記の症状でお悩みの方へ

- 関節に違和感を覚える
- 膝に痛みがある
- 股関節が痛い など
これらの症状が続いている時は、関節疾患かもしれません。
なかには緊急に対応する必要がある病気の可能性も考えられますので、少しでも気になることがあれば、できるだけ早く当院までご相談ください。
主な原因疾患
変形性股関節症
変形性股関節症とは、股関節の軟骨が摩耗して痛みが生じ、関節が変形する病気です。
足の付け根に位置する股関節は、体重を支える役割の他、歩く、立ち上がる、しゃがむなどの日常動作に関わっています。それらの滑らかな動きを助けるのが軟骨です。
軟骨は加齢などによりすり減るため、軟骨がなくなってしまうと、直接骨と骨が擦れて痛みや変形が現れ、股関節の動きに影響を及ぼします。
変形性股関節症の原因
- 股関節形成不全
- 肥満
- 遺伝
- 職業(重い荷物の運搬など)
- スポーツ(重量上げなど) など
変形性股関節症の進行度
変形性股関節症は進行性の疾患です
前期 | 股関節形成不全などの所見は見られるものの、 軟骨は役割を果たしており、 関節の隙間がある状態。 股関節に痛みが出現して10年以内に、 30%程度が初期へと移行する。 |
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初期 | 関節の隙間が狭くなり始め、 関節面に変形が見られる。 5年以内に、90%程度が進行期へと移行する。 |
進行期 | 軟骨がすり減って虫食い像のような所見が見られ、関節の隙間がない状態。 股関節に痛みが出現してから症状が 急速に進行するケースが多い。 |
末期 | 痛みが激しくなり、歩行に困難を伴う。 治療法は、人工股関節手術となる。 |
変形性股関節症の治療法
保存療法と手術療法の2つがあり、病状の進行度によって異なります。
前期、初期の段階では、最初は保存療法から実施します。
保存療法
手術を行わずに改善を待つ治療法です。
痛みを和らげるには、薬物療法、低周波治療、股関節周辺の筋力トレーニングなどの運動療法を行います。
手術療法
股関節の関節面を人工関節に置き換える人工股関節手術を実施します。
変形性膝関節症
変形性膝関節症とは、膝関節の軟骨がすり減って歩行時に膝の痛みが生じる病気です。
初期症状では平地での歩行には問題なく、痛みのために正座ができない、階段の上り下りで膝が痛むなどが見られます。病状が進むと、徐々にO脚となり、平地での歩行も難しくなります。
変形性膝関節症の原因
- 加齢
- 肥満
- 膝関節の損傷
- 筋肉の衰え
- O脚やX脚 など
変形性膝関節症の進行度
前期 | 関節内で軟骨変性が生じることはあるが、 外部からは認知できない。 |
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初期 | 軟骨のすり減りが始まるが、 X線写真上の変形はほとんどない。 「こわばりや違和感」「膝が動かしにくい」 といった自覚症状がある。 軟骨変性の進行により、関節軟骨のクッション機能 が消失、一部に負担がかかることで骨硬化が 見られる。滑膜が炎症を起こし、強い痛みを感じる こともある。 |
進行期 | 膝関節の変形が始まる。 初期の炎症が治まり痛みは軽減されるものの、 慢性化する痛みと日常動作への影響が見られる。 「正座や立ち上がり」「階段の上り下り」など 膝の屈伸に関する動作に障害が出る。 |
末期 | 変形が進行し、軟骨がほとんどない状態。 大腿骨と脛骨が直接当たるため、立つ、座る、歩く などの基本動作が困難なほど、膝が動かなくなる。 |
変形性膝関節症の治療法
保存療法
炎症や痛みに効果のあるお薬による薬物療法と運動療法、その他の治療があります。
手術療法
人工膝関節置換術では、膝関節全体を金属と軟骨の代用となる特殊なプラスチックで置き換えます。
損傷が膝の内側に限局されている場合には、人工膝関節単顆置換術で膝の内側のみを置き換えます。
変形性足関節症
変形性足関節症とは、足関節の軟骨が摩耗して関節に痛みが生じる病気です。
主な症状は足首の痛みと腫れで、病状が進むと歩行に障害が出るなど日常生活に影響を及ぼします。
変形性足関節症の原因
- 加齢
- 過去の怪我(捻挫や骨折)
変形性足関節症の進行度
初期 | 歩行時に足関節内側の 痛みがある。 |
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進行期 | 接地時の足関節内側の 痛みがある。 |
末期 | 接地による 足関節外側の圧迫痛。 |
変形性足関節症の治療法
保存療法と手術療法の2つがあります。
初期、進行期の段階では、最初は保存療法から実施します。
保存療法
保存療法には、炎症を抑えるお薬を投与する薬物療法、足関節を支えて動きを少なくするサポーター装着や足関節の負担軽減を目的とした足底版などの装具療法、ストレッチなどで症状を緩和する運動療法の3つがあります。
手術療法
手術法は進行度によって区別され、初期や進行期にはじん帯再建術または骨切り術、末期には人工足関節置換術が選択されます。